沢田愛里選手が全長190kmのデュアスロン世界選手権で8位!
沢田愛里選手からのお手紙を
そのまま掲載させていただきます。
↓ ↓ ↓ ↓
ITU世界選手権 POWERMAN ZOFINGEN
日程:9月4日 場所:スイス・ゾーフィンゲン
開催距離:第1ラン10km バイク150km 第2ラン30km
成績:8時間41分31秒(エリート女子8位)
※2016シリーズ最終ランキング7位
昨年の11月より、所属先のティーバイティーガレージの協力を得て、
パワーマンシリーズを転戦し、その最終戦がこのスイス大会でした。
パワーマンシリーズはヨーロッパを中心に世界各地で開催されており、
スイスの世界選手権は28回目となる歴史ある大会ですが、
日本では開催されていないこともあり、
私は日本で唯一の競技者となります。
フィリピン、マレーシア、スペイン、ドイツと転戦しましたが、
遠征の手配から、現地での移動、レースのコースレイアウトや、レース環境、
すべてが手探りでしたが、それもこのスイス大会に向けての予行演習と位置づけやってきました。
トレーニングに関しては、スイスの山岳コースと長距離に対応するため、7月に福島県で準高地合宿、
8月にニセコでロングトライアスロン選手との強化合宿を行い準備しました。
また、その合宿に至るまでには「札幌アンチエイジングモール」にて、体幹トレーニングを重点的に行い、
体の違和感の解決と故障しない体を目指しました。
通常の海外遠征よりも1日半くらい余裕を持って現地入りし、
レースコースの把握と、移動の疲労を抜くこと、心に余裕を持ってレース当日を迎えることができるようにしました。
第1ランから他のエリート選手からは遅れをとってしまいましたが、終始自分のペースを保つことを心がけました。
5時間を超えるようなレースにおいては、周囲に惑わされることなく自分のペースを刻むことが重要と経験しているからです。
バイクでは、距離に応じて補給を確実にとり、また左の臀筋辺りにどうしても痛みが出てしまうことが避けられなかったため痛み止めの薬を時間ごとに飲みました。
また、コースは50kmを3周というレイアウトでしたが、
自分としては30kmを一区切りと考えながらペースと補給を考えました。
30kmを1時間、バイクは5時間で終えるという目標がイメージしやすかったからです。
実際には1時間5分ほどかかる区間もあり、トータルで5時間20分ほどでしたが、
自分が決めた一つの区間における遅れは5分以内におさまっていたことで
それほど焦りを感じることもなく冷静にレースを運ぶことにつながったと思います。
第2ランでは、バイクでの疲労から脚が思うように動かず、
体がランニングの動きを取り戻すまでに7~8kmくらいかかりました。
ほとんどがトレイルコース(不整地の砂利道)で、地面を蹴れば蹴るほど、
自分の力が地面から逃げていくようなもどかしさを感じました。
天候は暑くないにも関わらず、脱水やエネルギー切れも感じて我慢が続きました。
今大会では、コーチやスタッフからの選手への補給食などのサポートが許可されていたので、
サポートに入っていてくれた森田さんが必要に応じて塩分タブやジェルなどを手渡ししてくれ、
本当に救われました。
最後はドイツやスイスから応援に駆けつけてくれた友人から日の丸を手渡され、
力いっぱいゴールすることができました。
レースのコースは海外の選手から噂に聞いていた通りのハードなもので、
レース中のサポートや応援、自分の強い意志がなければ、
中途半端な気持ちでゴールできないなと思いました。
スイス大会へのエントリー選手の人数が他のパワーマンシリーズ大会に比べて
極端に少ないことも納得です。
いつか参加してみたいと思っていたレースに参加し、ゴールすることができて
多くの方に心から感謝しています。
本当にありがとうございました。
一通りコースを走り、コースを知り、自分を知り、世界のレベルを知り、自分の長所も短所も、
伸びしろも対策も、次から次へと見えてきて、スタート前よりもわくわくしています。
2017年のシーズンからは、インドネシアや中国などアジア中心に大会数も増えるそうです。
このシリーズ戦がアジアに広がるその瞬間に、
アジア選手として活動できていることを光栄に思います。